僕の好きな人がよく眠れますように を読みました
中村航の「僕の好きな人がよく眠れますように」を読みました
大学院生の男と、こちらも大学院生の女の恋愛物語です
普通の恋愛ものと一味ちがうのは、女が人妻であること
つまり不倫ですわな
不倫もので多いのは、不倫者の不貞に読者が嫌悪感を抱き、最後に不倫者が天罰を受けるとか破滅するとかして読者が溜飲を下げる、という懲罰物語ですが、この物語は不倫xピュアラブという非常にレアな、それでいて一般的な不倫の形態をとっていて、その分感情がストレートに移入されます
不倫は悪だ、と言う人が多いです
僕も不倫はバレたら多くの人を不幸にするのですべきではないと思います
でも本気で好きになってもうたら、せざるをえない、というのもわかります
不倫は楽しいもんじゃありません(たぶん)
むしろ苦しいです(らしいです)
でも、苦しみながら一人の異性を愛する、愛さざるをえない、という状況が特有する背徳性とか廃退性に裏打ちされた高揚があるのも事実だと思います(僕は不倫したことありませんがきっとそうなんでしょう)
ドラゴンボールの初期のオープニングテーマにこんな一節がありました
「この世はでっかい宝島 そうさいまこそアドベンチャー」
好きな人といっしょにいるとこの世界はすごく美しいものに感じられるし、観るもの聴くことすべてがものすごく美しいものに感じます
世界の美しさを体全身で体現したい、という心を、社会が認めなくても僕は認めてあげたいと思います