どうで死ぬ身の一踊り を読みました
西村賢太の「どうで死ぬ身の一踊り」を読みました
角川文庫バージョン
「墓前生活」「一夜」の二つの短編も収録されています
ざっくり言うと、
西村賢太は、縁もゆかりもない大正時代の小説家藤沢清造に偏執的に傾倒していて、彼の没後数十年が経った現代に、勝手に周忌記念式典をしたり全集発刊を企てたりします
その間に、同居する女との、これも偏執的に変質している慕情があり、いざこざがあり、借金があり、DVがありと大正期ではいざしらず、現代ではあってはならない異常な日常を綴った私小説です
内容がかなりサイコで、普通なら投げ出すとこですが、
とにかく筆力がすごくて没頭してしまいました
収録されている二つの短編も圧力がすごい
尋常な情熱を圧力釜で圧して高温高圧の中毒性執念に変形させているかのようです
すごい作家です
今年二月に亡くなってしまいました
素晴らしい読み物を遺してくれてありがとう