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池上彰の世界の見方 朝鮮半島 を読みました

池上彰の世界の見方 朝鮮半島~日本はどう付き合うべきか~ by [池上彰]

 

朝鮮と韓国はともに日本を悩ますやっかいな隣人、と思っている日本人は多いと思います。

 

でも相手をよく知らずに一方的に毛嫌いするのはよくありません。

それに、韓国人だからこうだ、朝鮮人だからあぁだみたいな誰かから吹き込まれた差別的偏見で物事を判断してもいけません。

彼らには彼らの文脈があり、それを知ったうえで自分で判断すべきです。

 

この本では20世紀初頭から現代までの韓国と北朝鮮の歴史を、日本、アメリカ、中国、ソ連との関係と絡ませながらわかりやすく解説しています。

これを読むとなぜ、韓国、朝鮮がこうなってしまっているのかよく理解できます。

 

朝鮮が独裁国家で、反対勢力を弾圧する悪の専制君主国家だというのはよく知られたことですが、韓国の近代史も負けず劣らず、現代の日本人からは想像できないぐらい血塗られたものでした。
そこには激しい権力闘争があり、権力者はすぐに敵を抹殺します。


40年ほど前まで大統領暗殺や大統領候補者拉致ということが実際に発生していたし、警官がデモ隊に発砲して死者数百人というようなことも1980年代までありました。

 

あまりにも経済発展が急すぎたので認識が追いつきませんが、朴正煕大統領が成し遂げたいわゆる「漢江の奇跡」の前まではカンボジアとかバングラデッシュと同じように世界最貧国の中の一つだったのです。


その朴正煕もまた、部下との晩餐会の最中にその部下に銃殺されるというドラマのような死に方をしています。
1979年のことです。

 

韓国は今ではかなり近代的な国になっているので、ほんの半世紀前までそんな戦国時代だったとは驚きでした。


21世紀になった今でもこの激しい権力闘争は続いていて、権力を降りたものは次の権力者から社会的に抹殺されるというのが普通になっています。

 

日本人からすると、韓国は非常識なことばかり言ってくる、という印象ですが、これは韓国人が悪いわけではなく日本と50年時間がずれているだけなのです。


今の韓国は日本の1970年代、安保闘争が終わってようやく落ち着いたころ、ぐらいの成熟度と思うべきです。

 

あと50年経てば今の日本人みたいに「まぁいーじゃん仲良くやろうよ」っていう国になるんじゃないかと思います。